お茶はカテキンが入っているし、ダイエットや美容にもいいからとペットボトルのお茶を笑顔でがぶ飲みしている人を見かけます。
しかし実際にはコスト削減のためにあらゆる手を尽くした、それはお茶とは呼べないお茶なのです。
ペットボトルのお茶はどのようにして作られるのか?どんな原材料を使っているのか?なぜ安全とは言えないのか・・
その疑問にお答えしていきます。
目次
【1】茶葉にも階級がある
まず、茶葉というのは5月が収穫時期です。
この5月に摘んだ茶葉を「一番茶(新茶)」と呼び、これが最高品質の茶葉だと言われています。
さらにお茶は二番茶、三番茶と摘む時期が遅れるにつれて品質が劣り、価格も安くなります。
もし秋冬に茶葉を摘んだなら、一番茶と比べるとなんと9倍に近い価格差があるので驚きです。
一番茶と二番茶の農薬量は大きく異なる
一番茶は気温が暑くなる前、つまり虫がわきにくい時期に収穫をしてしまうため農薬は最小限で済みますが、二番茶以降になると農薬をその倍近く使わなければいけなくなるのです。
暑くない時期の秋冬でもきちんと収穫できるよう大量の化学肥料が使われます。
もちろん無農薬、無化学肥料で茶葉を摘んでいる農家も存在しますが、1年中一定に大量生産されるペットボトルのお茶に、そんないい茶葉が使われることはありません。
【2】主に使われる茶葉は国産表記の中国産
日本の一番茶をペットボトルのお茶に使うのはコストがかかりすぎて無理ですが、中国産の一番茶は日本に比べてコストがかなり安くなります。
そして、日本の二番茶や三番茶と混ぜて使ったりして表記上は「国産」と書かれることも多いのです。
つまりこれなら国産で一番茶(新茶)と謳えるので企業側にとってはおいしいのです。
【3】茶葉は最低限しか使わない
とにかくコストを削減することで企業は利益を得ています。
そのコスト削減には少量の茶葉から大量のお茶をいかに抽出できるかにかかっているわけです。
ペットボトルのお茶の工場では巨大プールのような容器に少量の茶葉でお茶を抽出しています。
しかしこんな少量の茶葉でなぜちゃんとお茶ができるのでしょうか?
【4】「緑茶抽出物(エキス)」でお茶の味にする
緑茶抽出物とは緑茶から抽出した食品添加物で、これを添加することで旨味やカテキンなどが補われます。
少量の茶葉でもちゃんと「お茶」になる秘密はこの添加物にありました。
しかしこの緑茶抽出物は企業秘密としてどんな工程で作っているのかをどこも明らかにはしていません。
というか悲惨すぎて公開できないのでしょう・・
抽出する茶葉が中国産なのはもちろんだと思いますが、おそらく薬品漬けにして抽出しているのは想像がつきます。
【5】お茶の原材料の「ビタミンC」って何?
ペットボトルのお茶を見てみると、原材料にビタミンCと記載があることがありますよね。
「いえーい!ビタミンも入ってるー!」と喜ぶ人もいるかもしれませんが、このビタミンCの目的は酸化防止剤です。
つまり腐りにくくする添加物です。
ビタミンCと言っても2種類存在し、野菜や果物から摂取できる自然なビタミンCと、グルコースを原料とする科学的に合成されたビタミンC(正式にはアスコルビン酸)があります。
原材料表記には「ビタミンC」「V.C」「酸化防止剤(アスコルビン酸)」などと表記されます。
しかしこのビタミンCは栄養強化剤として使われることが多く、表記をしない場合もありますが消費者がビタミンC入りのお茶に喜ぶ場合があるので表示をしているメーカーも多いのです。
この合成ビタミンCが問題なのは原料としている食品(グルコース)が遺伝子組み換えのものである可能性がほぼ100%だと言うことです。
添加物を作るのにいい素材を使うことはないので、この酸化防止剤をビタミンだから安全と言うのは考えものです。
【6】ペットボトルのお茶は安全ではないが便利である
ここまで言っといてなんですが、ペットボトルのお茶を完全には否定できません。
急に喉が乾いた時、水じゃなくてちょっとお茶が飲みたい時、そんな時手軽に買うことができるペットボトルのお茶は私たちの生活をかなり便利なものにしてくれています。
なので真っ向から否定するのもおかしな話で、大事なのは利便性も把握した上で危険性も把握しておくことです。
おばあちゃんと一緒に急須でお茶を飲む
ペットボトルのお茶の味を本物のお茶と思って飲んでいる子供は少なくありません。
本来のお茶の味を教えるためにも急須でお茶を飲む機会を増やした方がいいです。
お茶の香りや苦味、もちろん栄養もペットボトルのお茶とは比較になりません。
ペットボトルのお茶を飲むのは最低限に留めることにして、家ではおばあちゃんと一緒に本物のお茶を飲むようにしましょう。
そうするだけで本物と偽物の味の区別がつく人間になることができますよ。
ー参考文献ー
「食品のカラクリ」
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