私たちが体内に何かを入れる行為は食べることだけではなく、「吸う」行為もそれに当たります。
食べ物から化学物質を取り除きたいという思いは皆んなあると思うのですが、化学物質を吸うことについては関心が薄いように思われます。
その代表例が消臭スプレーです。
ファブリーズ、リセッシュ、きれいのミストなどを部屋や寝具、ソファーなどに噴射しているのはかなり危険です。
このような商品を使っていると、目が痛くなったり、頭痛、吐き気、倦怠感などの症状が出てきます。
化学物質過敏症の人はもっとひどい症状が出る場合もあります。
清潔にしようとするその行為、実は不潔で不健康極まりない行為だったのです。
目次
「臭いの元はどこへ行く?」まずは当たり前のことに気付こう
消臭スプレーなどが一般的に使われるようになった今、当たり前のことに気づけなくなっている人たちがいます。
悪臭というのは必ず臭いの元というものが存在します。
臭いの元というのは、主に雑菌が繁殖した時に起こります。
足が臭うのも雑菌が繁殖しているからです。
カーテンやカーペットなどが臭くなるのも同様です。
本来「臭いを消す」ということは、洗ったり乾かすなどして雑菌自体を取り除くか、臭い成分を取り除かなければなりません。
臭いの元というものがあってこその悪臭、しかしそれを全く無視するかのような商品が消臭スプレーなのです。
ファブリーズは汚れを覆うように消臭成分や除菌成分が付着し、臭いをごまかすという仕組みになっています。
従って、臭いの元が取り除かれるわけではありません。
しかし中には雑菌を殺す消臭スプレーもありますが、これにもかなり問題があります。
菌を殺す成分は化学物質なのですが、こんなものを散布すると部屋の大気中に舞って、人体に化学物質を取り込んでしまいます。
これが果たして清潔で健康的だと言えるのでしょうか?
常識が自分の頭をバカにする
お皿を洗う時は洗剤を使うのが常識のように、消臭剤の使用も常識のように使われはじめてきました。
「でも臭いの元はどこへ行くの?」
「頭が痛くなるのに使い続けていいの?」
「香料でごまかすだけでいいの?」
このような素朴な疑問は誰しも持っていると思うのですが、みんな使っているし、CMでもやってるから安全だよねと常識を疑わず、誰もが当たり前のように消臭グッズを使っています。
「臭いを消すには少々具合が悪くなってもしょうがない」という発想はどう考えてもおかしいと思いませんか?
普及という恐ろしさは、こういう当たり前のことに気づけなくなってしまうことなのかもしれません。
ファブリーズは安全な”はず”だった
ファブリーズは販売されてから20年近くが経ちますが、最初は安全な消臭剤だったんです。
こちらは今一般で売られているファブリーズの成分です。
このトウモロコシ由来消臭成分というのは、トウモロコシのでんぷんから作られたデキストリンというもので、これは食用なので確かに安全です。
デキストリンはドーナツ状の穴が空いた構造になっていて、その穴に臭い成分を入れて覆うことで臭いが消えるらしいのです。
販売当初はこのトウモロコシ由来消臭成分だけが成分だったので安全だったのですが、これだけでは臭いを消す効果が薄いということが販売後にわかってしまいました。
除菌成分入りのファブリーズ販売
消臭効果を高めるために除菌成分を入れたファブリーズが販売されました。
今売られているファブリーズがこれにあたり、「除菌成分入り」がすっかり定着してしまいました。
成分表示には「除菌成分(有機系)」としか記載がないのですが、具体的な物質名は「第四級アンモニウム塩」です。
除菌成分「第四級アンモニウム塩」とは?
これは逆性せっけんといって、石鹸と逆の効果があるものになります。
普通のせっけんというのは、水に溶けるとマイナスの電気を帯び汚れを”落とし”ます。
しかし逆性せっけんは水に溶けるとプラスの電気を帯びて細菌を”殺し”ます。
細菌の細胞膜はマイナスなのでプラスの電気と結びつくと、細胞の働きを止めてタンパク質などを変性させて殺すことができるのです。
しかしこの逆性せっけんは人間の細胞にも影響があります。
細菌と人間の細胞というのは同じような構成になっているので、人間の細胞も殺すことができてしまう可能性があります。
実際、これを誤飲したり目に入れたりするとなんらかの異常反応が出ることは誰もが知っていることです。
ファブリーズを使って何らかの症状が出た場合はこの除菌成分が原因だと思われます。
香料で具合が悪くなる
ファブリーズをはじめとする消臭系商品には必ず「○○な香り」というアピールがあります。
この香りは香料からなるものですが、臭いを消臭しているのはこの香料のごまかしが大きく働いているんではないかと思います。
というのも、マスキング効果と言って匂いに対して別の匂いが強い場合元の匂いを感じなくなるという効果があるからです。
香料はそれほど強力な香りなのです。
そもそも香料とは香料専門のメーカーが別にあり、そこから香料を買っているのですが実はファブリーズなどのメーカーも、その香料が何から作られているのか把握していないのが現状です。
香料は一つの香りを出すために何十種類もの合成香料を混ぜて作ります。
これによって人工的な香りができるのですが、この香料もやはり化学物質になるので吸うと具合が悪くなる人もいます。
ちなみに私は柔軟剤とか消臭ポッド系の香りが苦手で、その香りを嗅ぐと気持ち悪くなって頭痛がしてきます。
香料にアレルギー性があることは厚生労働省もわかっていて、化粧品などにはそのような香料は記載が義務付けられています。
「ファブリーズ」と「雑菌」はどちらが体に悪いのか?
雑菌というと体に悪影響を及ぼしそうなイメージがありますが、実はファブリーズなどの化学物質の方がよっぽど体に悪いのです。
雑菌は臭くはなるけど私たちの体にほとんど影響しない菌です。
しかし免疫力が低下している時は体に抗体が少なくなるので、本来は無害な雑菌でもアレルギーや皮膚病などを招くことがあります。
健康な体なら雑菌は全く無害なので殺す必要はありません。
むしろ私たちは体の中に色々な菌を蓄えていて、その菌がなくなると私たちは死にます。
少々の雑菌とは共存して生きていかないと私たちの免疫力はどんどん低下していってしまいます。
ファブリーズなどの除菌商品を使いすぎると私たちの体の菌まで除菌されて、雑菌一つで病気になるような体になってしまいます。
赤ちゃんにも無害!安全に消臭する方法
臭いというのは確かに気持ちの悪いものです。
しかしファブリーズのような危険な化学物質を撒き散らすのはもっと気持ちが悪いことです。
家に赤ちゃんがいたり、成長過程の子供がいる家はとくに意識するべきことです。
市販の消臭グッズなんかに頼らず、安全に臭いを消す方法があるので紹介します。
その前に、根本的な話「なぜ臭ってしまうのか」について軽く説明します。
臭いの原因である雑菌の基礎知識
臭いの原因は主に雑菌の繁殖です。
雑菌は人間に例えるとわかりやすいです。
雑菌は人間に人種があるように種類があり、その性質も様々です。
ですがその基本はどの雑菌も同じで、だいたいは高温多湿で餌のあるところで生き延びることができます。
そして雑菌の餌は私たちの食べ物が色々あるように雑菌も色々なものを食べます。
それは水、石鹸カス、人間の垢・ふけ・脂などちょっと気持ち悪いものまで餌にして生きています。
臭いがきつくなる「靴」は雑菌にとって好都合な場所といえます。
靴は長時間湿度が高い状態にあり、さらに足の角質などが最高の餌となり雑菌はあっという間に繁殖して強烈な臭いを放ちます。
そもそもなぜ雑菌が悪臭を放つのかというと、雑菌が餌を食べた時に酸を生成します。
なので脱いだ後の靴は酸っぱい臭いがするのです。
というわけで本題へ。
消臭のコツは2つあるので覚えておきましょう。
- 雑菌の繁殖を防ぐ
- 臭いを中和させる
① 雑菌の繁殖を防ぐ方法
消臭となると雑菌を殺すという発想が浮かびますが、雑菌は自分たちが快適に住むことができないと繁殖できず、餌がないと酸(臭い)を放つこともできません。
なので、臭いを消すには雑菌の繁殖を抑えて人間の嗅覚では感知できないくらいの雑菌数にすれば良いのです。
繁殖を抑えれば臭いは気にならなくなるので、化学物質を使って自分の身を犠牲にしてまで無理に雑菌を殺す必要はありません。
嫌な臭いをなくしたい場合に、あなたがするべきことは「雑菌が住めない環境作り」です。
- なるべく水分を取り除き通気性のいいところで乾かす
- 洗ったりして雑菌の餌を取り除く
この2つ守れば臭いはなくなります。
洗濯物も生乾きが一番臭いのは雑菌が繁殖しているからです。
カラカラに乾かすと全く臭いがしない状態になるので、どうしてもの雨の日や湿気の多い季節の時は乾燥機などを使って乾かすようにしてください。
カーテンやカーペットが臭うのは、ほこりなどを吸着しているのでそれが雑菌の餌となり繁殖します。
しかしこれらは丸洗いするのが困難だと思うので、ほこりなどは定期的に叩いて掃除機で吸い取り、雑菌の餌を減らしてください。
また、スーツも臭くなりやすいものの一つです。
通気性が悪いので湿度が高くなりやすく、さらに脂の出る汗をかくので雑菌に餌も与えてしまいます。
スーツは家に帰ってきたら、クローゼットにはしまわずに外に干して湿気を取り除いてください。
最近では乾燥ハンガーという便利なものがあって、外に干せない時でもハンガーから温風が出て衣類を乾燥させてくれます。
これはかなり便利だと思うのでスーツやジャケットを着る機会が多い場合には持っていた方が良さそうです。
次に、臭いを中和させて消臭する方法を紹介します。
② 臭いを中和させる方法
雑菌が放つ臭いは酸性です。
酸性が強いと酢のような酸っぱい臭いがします、逆にアルカリ性だと尿のようなアンモニア臭がします。
つまりこれらは中和させて臭いを消さなければいけません。
酸性を中和させるにはアルカリ性を足さなければいけませんので、アルカリ性である「重曹」を使った消臭法がおすすめです。
重曹は炭酸水素ナトリウムという天然の無機物質です。
重曹は料理にも使われていて人体への影響はありませんし、むしろいい作用をもたらします。
料理以外にも掃除道具や入浴剤などとしても使われるので、赤ちゃんがいる家庭でも問題なく使っていけるものです。
☆重曹スプレーの作り方☆
食用または薬用の重曹・・・小さじ1
ぬるま湯・・・100cc
スプレー容器・・・1つ
作り方は容器に重曹を入れて、ぬるま湯をいれてボトルを振って混ぜるだけです。
このようにして服にスプレーすると酸性の臭いがアルカリ性である重曹に中和され臭いがなくなります。
しかし服に白い粉のようなものが残ってしまうことがあるので、その場合は掃除機で吸うか叩き落としてください。
カーペットやカーテンにもこの重曹スプレーをふりかけて乾かすと臭いが消えます。
あとは重曹をそのまま使う方法もあります。
夜はカーペットに重曹をふりかけておいて朝に掃除機をかけるときつい臭いも消臭されます。
重曹を靴箱や玄関などに置いても臭いを中和させることができます。
とくに靴箱は重曹が乾燥剤の役割もしてくれるので湿気も取り除いて雑菌の繁殖を防いでくれます。
ただし、重曹はアルカリ性なのでアンモニウムなどのアルカリ性の臭いには効果がありませんのでトイレの消臭などには向いていません。
重曹は消臭以外にも様々な使い道があるのであるととっても便利ですよ!
消臭グッズはいらない
ファブリーズのような消臭グッズは用途別にも売られていますが全く必要ありません。
雑菌を殺したり、香料でごまかすことの方が体に悪いし不潔です。
雑菌を繁殖しないように換気をしたり、洗って干すなどの当たり前のことをしていれば臭いは消えるんです。
家庭の化学物質は極力減らすように心がけてください。
そういうものを断ち切ると体調が良くなったりしますよ!
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