アガベシロップは血糖値が上がりにくく、味に癖もないので砂糖の代用品としては最高だと一時期話題になった甘味料の一つです。
そんな完璧に思われていたアガベシロップも最近では色々な問題点があると指摘を受けています。
目次
アガベシロップって何者?

アガベシロップの原材料となっているのは「ブルーアガベ」という植物です。
見た目はアロエのような感じで、観葉植物なんかにも使われています。
このアガベの茎部分の糖分を抽出してシロップにしたものがアガベシロップです。
テレビや雑誌で「血糖値の上がらない甘味料」としてかなり注目を集め、海外セレブや芸能人、モデルなどが使っているとかで日本のスーパーにもアガベシロップが並ぶようになりました。

見た目は蜂蜜のようですが、味はべっこう飴に似ていて味や風味に癖がなくお菓子作りなどにも向いているそうです。
甘さは砂糖の1.5倍ほどになるのに、血糖値を上げないから美容や健康にいいと騒がれたのです。
アガベシロップのGI値は28
血糖値を上げないと言われているアガベシロップのGI値は28しかありません。
この数値は低ければ低いほど血糖値の上昇は緩やかということになります。
一方、砂糖のGI値は“109”です。
そう考えると、砂糖より甘いアガベシロップの28という数値には驚くかと思います。
しかし砂糖のような甘味料を血糖値の上昇率だけで判断するのはちょっと危険です。
そもそも砂糖の害は血糖値を上げるほかにも色々な問題があるので、低GI値のアガベシロップは完璧と判断する前にこちらをお読みください。
アガベシロップの問題点は果糖(フルクトース)
果糖とはフルーツに多く含まれている甘み成分、単糖類の一つです。
果糖はフルクトースとも呼ばれます。
アガベシロップの甘みはこの果糖によるものなのですが、アガベシロップの80%はこの果糖で構成されています。
血糖値を上げるのはブドウ糖のみで、果糖は血糖値を上げないのですが、果糖には色々な害があるのです。
果糖は老化物質AGEを作り出す
果糖の最も怖いところはタンパク質と結びつきやすいというところです。
タンパク質とは私たちの皮膚、筋肉、血中にもタンパク質は存在します。
これら体内のタンパク質と果糖が結びつくとAGEという老化を促す物質が大量発生します。
AGEは「糖+タンパク質」で発生しますが、果糖がタンパク質と結びつく確率は砂糖の約10倍高いと言われていて、砂糖よりも果糖の方が老化するとまで言われています。
AGE生成を抑制することが最大のアンチエイジングだと言われているので、アガベシロップを積極的に摂取したり砂糖の代用品として日常的に摂取しているのは、明らかに果糖の摂りすぎとなってしまうのです。
果糖は肝臓を詰まらせる
アガベシロップは血糖値を上げないので、糖尿病患者に有効だとしてアメリカで実験が行われましたが、糖尿病患者には副作用が出たという報告がありました。
まず果糖は体内に入っても消化吸収されずに血中に運ばれ、それから血中でも分解されずに肝臓までダイレクトに運ばれます。
全く分解されていない果糖は肝臓で消化吸収されるので肝臓に負担がかかります。
果糖を摂取しすぎると、肝臓にそのまま蓄積され肝臓に詰まってしまうことがあり、アガベシロップ(果糖)の摂りすぎは問題になりました。
本来、肝臓は解毒を行う臓器なので、それが機能しなくなると毒素が肝臓や体内にどんどん溜まっていってしまいます。
アガベシロップの品質問題

世に出回っているアガベシロップには偽物も存在します。
アガベに着色料や香料などの添加物を入れたり、アガベの割合を減らして砂糖を入れたりとアガベシロップとは言えない代物も出回っています。
さらに、アガベからどうようにして果糖を抽出しているのかも怪しいところです。
安い市販のアガベシロップは十中八九薬品や添加物で糖分を抽出していると考えられます。
さらに農薬や肥料の問題もあります。
これはどの食品にも言えることですが、品質を無視するとどんなにいい効果が期待できたとしても、それは逆効果になることもあるのです。
結論:アガベシロップを使うなら砂糖の方がマシ
アガベシロップのような流行り系の食材には注意が必要です。
こういうものはたいてい海外から持ち寄られ、いい噂だけが一人歩きして話題になることが多いのです。
聞いたことのないような調味料や食べ物には飛びつく前に色々調べてから使用すべきだと思います。
昔からの製法で作られている伝統的な食材は産地や製法、人体へのメリットやデメリットが明らかになっていることが多いので、消費者である私たちが精査しやすくなっています。(砂糖とか蜂蜜とかね)
今回紹介したアガベシロップは果糖が多すぎて人体への害が大きいと考えられるので、甘味料としては砂糖の方がまだいいのではないかとも思ってしまいました。
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